「脳ドック」がなぜ必要か
みなさんこんにちは。
本日は「脳ドックがなぜ重要で、どのような利益をもたらすのか」についてお話しします。
脳ドックとは、MRIを用いて脳の状態を詳しく調べる検査です。
MRIでは、脳実質(脳そのもの)と脳血管の両方を評価することができます。
まず、脳実質を調べることで
・脳腫瘍など病変の有無
・脳出血・脳梗塞の痕跡
・脳萎縮の程度、認知症の兆候
などを確認することができます。
そして、より重要なのが
「脳血管の検査」です。
脳血管を調べる検査は MRA(エムアールエー)と呼ばれ、これにより
血管の狭窄(細くなること)、血管の奇形、脳動脈瘤の有無
などを調べることができます。
特に重要なのが「脳動脈瘤の有無」です。
脳動脈瘤は、くも膜下出血の主な原因です。逆にいえば、脳動脈瘤さえ存在しなければ、くも膜下出血になる可能性はかなり低いと考えていただいても差し支えありません。
脳動脈瘤といっても、大きさや形、場所によって危険性は異なりますが、一般的に5mm以上になると破裂リスクが高くなるため、治療を検討しないといけません。
恐ろしいことに、脳動脈瘤のみでは頭痛などの症状を出さないことが多く、検査をしない限りは存在に気づきません。
つまり、「頭痛などの症状がないことが安心材料にはならない。」ということです。
そして、ひとたび くも膜下出血を発症すると、死亡率はおよそ3分の1 といわれる、非常に重い病気です。
だからこそ、何よりも予防が大切なのです。
脳出血や脳梗塞の予防には生活習慣病の改善が重要ですが、くも膜下出血の予防には、脳動脈瘤の検査が欠かせません。
「脳ドックの目的の半分以上は、脳動脈瘤を調べることにある」
といっても過言ではありません。
みなさんの命は、お一人のものではありません。
ご家族をはじめ、多くの方に支えられて私たちは生きています。
自身の健康を守ることは、大切な人たちに負担をかけないことにもつながります。
ちなみに、脳神経外科医の多くは脳のMRIを受けています。専門家こそ、脳卒中の怖さや予防の大切さをよく知っているからです。
似た検査としてCT検査があります。CTも有効な検査ですが、
・MRIほど脳の詳細な評価はできない、放射線被曝がある、脳血管を調べるために造影剤が必要
など、MRIと比べていくつかのデメリットがあります。
また、最近のMRIはとても高性能になり、弱点とされていた撮影時間や骨の評価なども大きく改善しました。当院がCTではなくMRIのみを導入しているのはそのためです。
みなさんの健康寿命を守るために。
健康を守ることは、自分のためだけではなく大切な人のためでもあります。
症状が出てからでは遅いのが、脳の病気の怖いところです。症状のない今のうちから、一度は脳ドックを受けることをご検討してみてはいかがでしょうか。
では、クリニックでお会いしましょう。