FAGA・FPHL(女性型脱毛症)は、加齢・ホルモン変化・遺伝・ストレス・生活習慣など複数の要因が関与する “びまん性(全体的)に髪が細く、薄くなるタイプの脱毛症” が中心です。男性型脱毛症とは異なり、原因が一つに特定できないことが多く、一般的には男性より治療が難しいことが多いです。
FAGA・FPHL(女性型脱毛症)について
FAGA・FPHL(女性型脱毛症)は、加齢・ホルモン変化・遺伝・ストレス・生活習慣など複数の要因が関与する “びまん性(全体的)に髪が細く、薄くなるタイプの脱毛症” が中心です。
男性型脱毛症とは異なり、原因が一つに特定できないことが多く、一般的には男性より治療が難しいことが多いです。
FAGA・FPHLの症状は、頭頂部を中心に頭部全体が薄くなることが多く、進行パターンは以下の3つに分類されます。
FAGA・FPHLはAGAとは原因や進行の仕方が異なるため、治療も女性に適したものを選択する必要があります。
内服薬①:ミノキシジル
作用機序
ミノキシジルは頭皮の血流を改善し、毛母細胞の働きを活発にすることで 発毛を促進 します。
ミノキシジルは外用薬として広く使用されてきましたが、近年では 低用量ミノキシジル内服 が女性の薄毛治療に使用されています。
服用方法
- 1日1回 決まった時間に内服
- 少量から開始し、状態を見ながら調整します
- 2.5mgを使用する場合は、副作用の確認を行いながら慎重に使用します
期待できる効果
- 髪のボリューム改善
- 毛の太さ改善
- 抜け毛の減少
- 効果実感は2〜3か月、最大効果は6〜12か月程度が目安です
起こりうる副作用
- 全身の多毛(顔・体の産毛が濃くなる)
- 足のむくみ
- 動悸、頻脈
- 低血圧
- まれに頭痛、手足のしびれ
※強い症状がある場合は受診してください。
注意事項
- 妊娠中・授乳中は使用できません。
- 妊娠を希望されている方にも推奨されません。
- 心疾患・低血圧の方は慎重な判断が必要です。
- 血圧測定、血液検査が必要なことがあります。
内服薬②:スピロノラクトン
作用機序
女性の薄毛には、男性ホルモンであるアンドロゲンが影響している場合があります。
スピロノラクトンは 利尿薬として用いられるお薬ですが、抗アンドロゲン作用 を持つため女性型脱毛症に有効とされています。
服用方法
- 1日1回 朝に内服
期待できる効果
- 抜け毛の抑制
- 髪の密度・太さの改善
- 男性ホルモンの影響が強いタイプの女性に特に有効
起こりうる副作用
- 月経不順
- 乳房の張り
- 低血圧
- 頭痛、倦怠感
- 高カリウム血症(まれ)
※定期的な採血が必要になることがあります
注意事項
- 妊娠中、授乳中の方は使用できません
- 妊娠を希望されている方には推奨されません
- 内服中は避妊が必要です(胎児への影響の可能性あり)
- 腎機能が低下している方は慎重な判断が必要です
外用薬:ミノキシジル外用
FAGAに対するミノキシジルの外用治療は、日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」にて 推奨度A(行うよう強く勧められる) とされる エビデンスの高い治療 です。
作用機序
- 頭皮の血流改善
- 毛包の成長促進
- ヘアサイクルの改善
治療開始後1〜2か月頃に、一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」がみられることがあります。これは治療経過の中で起こることがありますが、症状が強い場合はご相談ください。
使用方法
- 1日2回、薄毛が気になる部分の頭皮に塗布します。
副作用
- 頭皮のかゆみ・かぶれ
- フケ
- まれに動悸・むくみ
併用療法
女性の薄毛は、複数の要因が関与していることが多いため、状態に応じて
- ミノキシジル内服
- ミノキシジル外用
- スピロノラクトン
の 組み合わせ治療がより改善率が高い とされています。
治療を中止した場合
薄毛治療は継続が大切です。どの治療も、中止すると数ヶ月ほどで少しずつ元の状態に近づいていくとされます。
一方で、ある程度効果が得られた後は、薬の量を調整したり維持療法に切り替えたりすることも可能です。費用や副作用が気になる場合もご相談ください。
診察料
初診料 1760円(税込)
再診料 880円(税込)
初回は、最大30日分までの処方となります。
2回目以降は、1回の受診につき最大90日分まで処方可能です。
また、安全に治療を継続していただくため、3回に1回、または6か月に1回は医師の診察が必要です。
それ以外の回については、体調や副作用などに問題がなければ、お薬のみの処方が可能です。
お薬のみの処方の場合、再診料はかかりません。
女性型脱毛症の治療を受けられている方へ
— 生活習慣の見直しのススメ —
女性の脱毛症(FPHL/FAGA)は 原因が一つに断定できないことが多い と言われています。
男性のAGAと違い、女性では男性ホルモンの関与が弱いケースも多く、
- 栄養不足
- ストレス
- ホルモンバランスの乱れ
- 過度なダイエット
- 睡眠不足
など、さまざまな要因が重なって発症することがあります。
そのため、お薬だけではなく生活習慣の見直しがとても重要になります。
下記を参考に、日頃の生活から少しずつ改善していきましょう。
① 頭皮環境を整える・・・シャンプー選びから始めましょう
皮脂が多すぎたり、頭皮に炎症があったりすると、発毛に悪影響を与えます。
頭皮環境を改善させるためには、刺激の少ないマイルドなシャンプーの使用をおすすめします。
界面活性剤による洗浄力が強すぎるシャンプーは、必要な皮脂まで取ってしまい頭皮の乾燥を引き起こします。その結果、かえって皮脂の分泌が増え、頭皮のバリア機能が低下し、抜け毛が起こりやすくなります。
現代人は、頭皮を洗いすぎています。
「泡立ちが良い」=「良いシャンプー」ではありません。
頭皮にとっては、「刺激が少なく、清潔な状態を保てること」 が良いシャンプーの条件です。
当院では、界面活性剤による頭皮への負担を抑えるため、洗浄力を抑えたシャンプーのご提案 をしています。乾燥しやすい方や、敏感肌・アレルギー体質の方にもおすすめしやすいシャンプーです。気になる方は一度ご相談ください。
治療の第一歩は、シャンプー選びから。
② ストレス管理(自律神経の安定)
ストレスは自律神経の乱れにつながり、頭皮血流の低下や、髪の成長サイクルの乱れを引き起こします。軽い運動やストレッチ、リラックスできる時間の確保など、ストレスをため込みすぎない生活 を心がけましょう。
③ 質の良い睡眠をとる
成長ホルモンは睡眠中に分泌されます。睡眠不足は薄毛を悪化させる大きな原因の一つです。
できれば6-8時間は確保しましょう。
④ 適度な運動、筋トレ、姿勢改善
- 頭皮の血流改善
- 自律神経の安定
- ストレスの軽減
- ホルモンバランスの調整
に効果があります。ウォーキング、ストレッチ、軽い筋トレなど、無理なく続けられる運動から始めましょう。
⑤ タンパク質をしっかり摂る
髪の主成分であるケラチンはタンパク質から作られます。
- 肉、魚、卵、大豆製品などをバランスよく摂取しましょう。
- 特にダイエット中の女性では、タンパク質不足が薄毛悪化の一因になることがありますので、タンパク質を意識して摂取しましょう。
⑥ 過度なダイエットを避ける
極端な糖質制限・カロリー制限は、
- 鉄不足
- タンパク質不足
- ホルモンバランスの乱れ
を起こし、脱毛を進行させる原因になります。
院長からひとこと
女性の脱毛症治療には、お薬による治療だけでなく、生活習慣の見直しが必須です。
生活習慣を整えると、内服薬・外用剤などの治療効果がより出やすくなります。
治療に時間はかかりますが、焦らず、根気強く、髪質改善・発毛をめざしましょう。
よくあるご質問
- 治療はいつ頃から効果が出ますか?
-
個人差はありますが、一般的には3〜6か月程度で抜け毛の減少や髪のハリ・コシの改善を実感される方が多いです。
FAGAは急に髪が増えるというより、徐々に抜け毛が減り、髪のボリュームが改善していく治療です。効果を安定させるためには、継続して治療を行うことが大切です。
- 女性の薄毛と男性のAGAは違いますか?
-
違います。女性の薄毛は、男性のAGAのように生え際や頭頂部がはっきり薄くなるだけでなく、髪全体が細くなり、分け目や頭頂部のボリュームが低下することが多いです。
原因も、加齢・ホルモンバランス・遺伝・ストレス・栄養状態・生活習慣など、複数の要因が関係します。そのため、患者さん一人ひとりの状態に合わせて治療を選ぶことが重要です。
- 市販の育毛剤との違いは何ですか?
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市販の育毛剤の多くは、頭皮環境を整えることを目的とした製品です。
一方、医師が処方するミノキシジルなどの治療薬は、髪の成長を促す作用があり、医学的な有効性が確認されています。
- 初期脱毛とは何ですか?
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ミノキシジルによる内服または外用薬の治療開始後、一時的に抜け毛が増えることがあります。これは、新しい髪が生えてくる過程で古い髪が抜ける現象で、「初期脱毛」と呼ばれます。
通常は数週間〜2か月程度で落ち着くことが多く、その後、髪のハリ・コシやボリュームの改善が期待できます。
- 治療は一生続けなければいけませんか?
-
必ずしも同じ治療をずっと続ける必要はありません。
髪の状態が安定してきた後は、治療内容を調整したり、薬の量を減らしたりしながら維持を目指すこともあります。