赤ちゃんの頭は、産まれてから数か月のあいだに大きく成長します。
この時期の頭はとても柔らかく、寝かせ方や向きぐせによって頭の形が変わることがあります。
当院では、脳神経外科専門医が頭の形を評価し、必要なケアやヘルメット治療を行う「あたまのかたち外来」を設けています(※原則として自費診療です)。
あたまのかたち外来について
赤ちゃんの頭は、産まれてから数か月のあいだに大きく成長します。この時期の頭はとても柔らかく、寝かせ方や向きぐせによって頭の形が変わることがあります。
1992年、米国小児学会は乳幼児突然死症候群(SIDS)を予防するために、赤ちゃんをあお向けに寝かせることを勧めました。
その結果、SIDSは減りましたが、赤ちゃんの頭の形がゆがむ位置性頭蓋骨変形症(いちせいずがいこつへんけいしょう)が増えたとされています。
当院では、脳神経外科専門医が赤ちゃんの頭の形を評価し、必要なケアやヘルメット治療を行う「あたまのかたち外来」を設けています(※自費診療になります)。
ヘルメット治療の対象年齢
ヘルメット治療の対象は、生後3ヶ月〜9ヶ月未満の赤ちゃんです。(上限12ヶ月まで)
この時期を過ぎると頭の成長が緩やかになり、治療効果が見込みづらくなります。
頭のかたちによく見られるタイプ
短頭症(たんとうしょう)
後頭部が全体的に平らで、頭が横に広がって見えるタイプです。
斜頭症(しゃとうしょう)
後頭部の片側が平になり、頭の形が左右非対称になるタイプです。
長頭症(ちょうとうしょう)
頭が前後に長くみえるタイプです。
これらの多くは成長とともにある程度改善していくことが多いですが、重度の場合は自然には改善しにくく、見た目や発育に影響することがあります。そのため、早めに専門的な評価を受けることが大切です。
診察の結果、改善が必要と判断された場合には、ヘルメット治療(頭蓋矯正療法)をご案内することがあります。
ヘルメットは赤ちゃん一人ひとりの頭の形に合わせて作るフルオーダーメイドになります。成長が足りない部分の発育を促し、成長が早い部分は少し待たせることで、頭の形を整えていきます。頭を圧迫して無理に形を変える治療ではありません。
ヘルメット治療の考え方と特徴
・赤ちゃんの自然な頭の成長を利用して、安全に形を整えられる
・見た目の改善を実感しやすい
・赤ちゃんが比較的慣れやすく、日常生活への支障が少ない
※原則として自費診療です
診察の流れ
1.初回相談・評価(予約制)
保護者の方からお話をうかがい、専門スタッフと脳神経外科医が頭の形を診察します。必要に応じて、以下の検査を行います。
レントゲン検査
3Dスキャナーによる頭の形の測定・解析(首がすわっていない赤ちゃんでも測定可能です)
赤ちゃんの頭のゆがみには、向きぐせや出産時の圧迫などによる位置的頭蓋変形症のほかに、頭蓋骨早期癒合症(ずがいこつそうきゆごうしょう)など、頭の骨の発達異常が原因となる病気があります。
脳の発育に影響する可能性があり、診断のためにレントゲン検査が必要になることがあります。この病気が疑われる場合は、ヘルメット治療の適応にはならず、手術などの専門的な治療が必要になることがあるため、適切な専門機関へご紹介します。
2.経過観察、またはヘルメット治療のご提案
頭の形の測定結果を解析し、成長とともに改善が見込める場合は、生活上の工夫をご案内しながら定期的に経過をみていきます。ヘルメット治療が適している場合には、オーダーメイドのヘルメット作製をご案内します。
3.治療中のフォローアップ
治療開始後は、数週間ごとに受診していただき、頭の形の変化やヘルメットのフィット感を確認します。装着期間の目安は3〜6か月程度です。
ヘルメット治療以外の赤ちゃんのケア
寝かせる位置の工夫
赤ちゃんにも寝るときのくせがあります。寝ている赤ちゃんにいつも同じ方向を向かせないことで、片方の後頭部だけに圧力が長時間かかることなく、変形もしにくくなります。まずは、寝ている赤ちゃんの顔の向きにくせがあるかどうかを観察してみましょう。
もし寝る向きにくせがあるようであれば、授乳のたびに頭の位置と足の位置を変えてみるなど、変化をもたせましょう。
タミータイムについて
タミータイムとは、赤ちゃんが起きている時間に、保護者が見守りながらうつぶせで過ごす時間のことです。首すわりの練習や運動発達を促すだけでなく、頭のゆがみを予防するうえでも役立ちます。1日数回、1回5分程度から始めてみましょう。
おむつ替えのあとや、赤ちゃんが目を覚ましたあとなど、無理のない範囲で取り入れてください。
※首がすわっていない時期のうつぶせ寝は、窒息やSIDSの危険があるため注意が必要です。保護者が見ていないときに寝かせる場合は、必ずあお向けにしましょう。
頭のゆがみが強い場合は、自然な改善だけでは十分に整わないことがあります。その場合には、頭蓋矯正ヘルメットを用いた治療をご提案します。
院長からのひとこと
赤ちゃんの「あたまのかたち」は、早い時期に適切に評価することで、よりよい結果につながります。気になることがあれば、「様子をみる」だけでなく、ぜひ一度ご相談ください。脳神経外科医として、そして一人の親の視点も大切にしながら、丁寧にサポートいたします。