頭をぶつけた後の頭痛・めまい・競技復帰相談
スポーツ中に頭をぶつけたあと、
「頭痛が続く」
「めまいがする」
「気持ち悪い」
「集中できない」
このような症状がある場合、脳震盪の可能性があります。
脳震盪とは、頭部への衝撃によって一時的に脳の機能に異常をきたした状態のことです。
多くの場合、CTやMRIでは明らかな異常は認められず、画像検査だけで診断することはできません。そのため、症状や経過を適切に評価することが重要です。
本人が早く復帰したいからといって無理に競技へ戻ると、症状が長引いたり、再受傷のリスクが高まったりすることがあります。
当院では、脳神経外科専門医がスポーツ中の頭部外傷・脳震盪に対して、症状に対する治療から学校生活・競技復帰までを見据えたサポートを行っています。
最新の脳震盪評価:SCAT6
スポーツ脳震盪の国際的な評価として、現在は2023年に公表されたSCAT6(Sport Concussion Assessment Tool 6)と呼ばれるツールが用いられています。
当院ではSCAT6の考え方に基づき、症状、記憶力、注意力、平衡機能などを総合的に評価し、安全な競技復帰をサポートしています。SCATは、日本の各スポーツ協会でも脳震盪の評価および復帰判断の参考として広く活用されているツールです。
以前は、脳震盪後は暗い部屋で何日も安静にするよう指導されるようなことがありました。
しかし現在は考え方が変わり、受傷後24〜48時間は安静を保ちながら、その後は症状が悪化しない範囲で日常生活や軽い運動に「段階的に戻していく」ことが推奨されています。
目安としては、
- 日常生活で症状が悪化しない
- 学校・仕事に戻れる
- 有酸素運動ができる
ウォーキング、ジョギング - 競技特有の動きができる
サッカー:パス練習、野球:キャッチボール、バスケ:ドリブル など - 非接触練習ができる
ラグビー:タックル以外の練習、バスケ:チーム練習 など - 接触練習に戻る
サッカー:ヘディングありの実践形式、ラグビー:タックル練習 など - 試合復帰
という流れです。コンタクトスポーツ(ラグビー、柔道など接触を伴う前提のスポーツ)の場合は、特に慎重に判断します。
途中の段階で頭痛、めまい、吐き気、集中力低下などが悪化する場合は、一つ前の段階に戻り、再度調整が必要になります。
特に学生アスリートでは競技復帰よりも、まずは通常通りの学校生活へ復帰できる状態を目指すことが大切です。
また、受傷直後は運動だけでなく、テレビ、スマートフォン、ゲーム、長時間の読書など、脳に刺激を与えたり脳を使う活動はなるべく控えることが推奨されています。症状の程度に応じて徐々に再開していくことが大切です。
MRI検査について
脳震盪そのものはMRIだけで診断できるケガではありません。
しかし、
- 脳出血
- 脳挫傷
- くも膜下出血
- その他の頭蓋内病変(くも膜のう胞など)
を除外することはやはり重要です。
当院では稲沢市のクリニックとして希少な院内MRIを完備しており、必要に応じて精密検査を行いながら診療を進めます。
セカンドインパクト症候群について
アスリートにとって、スポーツを休むことは大きなストレスです。ケガや脳震盪を負ったあとも、「早く競技に復帰したい」と考えるのは自然なことです。脳震盪による頭痛やめまいは比較的早く改善するため、本人は「もう大丈夫」と感じることも多いです。
しかし、脳が十分に回復していない状態で再び頭部へ強い衝撃を受けると、まれではありますが重篤な脳浮腫を起こし生命に関わることがあります。これをセカンドインパクト症候群(Second Impact Syndrome)と呼びます。
そのため、本人の「早く競技に復帰したい」という気持ちに寄り添いながらも、症状が残っている間は、指導者や保護者、医療従事者が連携して安全な復帰時期を判断することが大切です。
こんな方はご相談ください
- サッカー、ラグビー、柔道、野球、バスケットボールなどで頭をぶつけた
- 頭を打ったあと、頭痛、めまい、集中力の低下が続いている
- 脳震盪と言われたが、いつ復帰してよいかわからない
- 学校や部活動への復帰について相談したい
- 不安なので一度MRIによる精密検査を受けたい
当院では脳神経外科専門医が診察し、必要に応じてMRI検査を行いながら、安全な学校生活・競技への復帰をサポートいたします。