クモ膜下出血は恐ろしい、、、が防げる脳卒中
クモ膜下出血はなぜ恐ろしいのか
脳の血管の病気を総称して「脳卒中」といいます。
脳卒中にはさまざまな種類がありますが、
「最も恐ろしい脳卒中は何ですか?」
と聞かれたら、私は
「クモ膜下出血」
と答えます。
私が初めてこの病気の名前を知ったのは、小学生の頃になります。
私の知っている方が、クモ膜下出血で突然亡くなられました。まだ若い方でした。
まだ子供ですから、クモ膜下出血がどういう病気なのか、なぜ起きるのかわかるはずもありませんが、とにかく危ない病気ということは認識したわけです。そのときから、この病気は私の中で強く印象に残っています。
クモ膜下出血が恐ろしい理由
クモ膜下出血の恐ろしい点は次の通りです。
- 多くの場合、前兆がない
- 突然発症する
- 若い人でも起こりうる
- 発症すると死亡率は約3分の1
非常に致命率の高い疾患です。
脳神経外科医として仕事をしていると、必ずクモ膜下出血の患者さんに遭遇します。
同じクモ膜下出血といっても重症度はさまざまで、
- 軽い頭痛で歩いて来院される方
- ほぼ即死状態で搬送される方
まで幅があります。
主に発症時の出血量によって重症度が決まりますが、
統計的には
約3分の1の方が亡くなる病気
とされています。
これほど死亡率の高い疾患は、それほど多くありません。
原因の多くは「脳動脈瘤の破裂」
くも膜下出血の最大の原因は、
脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)の破裂です。
もっとも怖い頭痛の原因といえます。
救命できる患者さんに対しては、緊急手術などの治療を行いますが、
すでに起きてしまった脳のダメージを元に戻す治療ではありません。
そのため、多くの場合は
- 麻痺
- 高次脳機能障害
- 認知機能低下
などの後遺症が残ることが前提になります。
ここは「がん」との違いでもあります。
がんももちろん命に関わる病気ですが、
手術で完全に取り切ることができれば「完治」が期待できます。
一方でくも膜下出血は、
- 出血による脳のダメージは回復できない
- 手術の目的は「悪化予防」
という疾患になります。
その後、全身管理やリハビリによって回復を目指しますが、完治というイメージとは異なるかもしれません。
特につらいのは、若い患者さんのときです。
まだ小さなお子さんがいたり、ご両親が健在だったりすることも多いです。
患者さんの状態によっては、医師としてとても厳しい説明をしなければならないこともあります。
繰り返しになりますが、くも膜下出血の最多の原因は脳動脈瘤です。
一般的には5mm以上の動脈瘤は破裂リスクが高いとされます。
言葉を選ばずに言えば、頭の中にある爆弾のようなものです。
ほとんどの場合、症状がありません。いつ破裂するかは分かりません。
くも膜下出血は、発症してからでは遅い病気です。
逆に言えば、発症前に脳動脈瘤を見つけることができれば、破裂前に治療することができます。
その方の人生を大きく変える可能性があるのです。
脳ドックで見つけることができる
脳動脈瘤の有無は
- 脳ドック
- MRI / MRA検査
で調べることができます。
くも膜下出血の好発年齢は60歳前後ですが、40歳を超えるとリスクは高くなるとされています。
これまで検査を受けたことがない方は、一度検査を受けることをおすすめします。
また、重要なこととして、脳動脈瘤には家族性があります。
もし、
- 血縁の家族がくも膜下出血になった
- 家族に脳動脈瘤がある
という場合は、必ず一度検査を受けることをおすすめします。
愛知県稲沢市のミライエ脳神経クリニックでは、院内MRIを完備し、脳神経外科専門医が画像の解析と結果の説明を行っています。
本日はクモ膜下出血についてお話しました。
今回の内容が、皆さまの健康維持にお役に立てば幸いです。