慢性腰痛は安静にしてはいけない?腰痛の正しい対処法を脊椎専門医が解説
腰痛の「10の思い込み」から考える、本当に大切なこと
腰痛が長く続いていると、
「腰が悪くなっているのではないか」
「動くともっと悪化するのではないか」
「年齢のせいだから仕方がない」
と不安になる方も多いかと思います。
今回は、慢性腰痛について知っていただきたい大切な考え方を、2020年に発表された「Back to basics: 10 facts every person should know about back pain」という論文をもとにご紹介します。
腰痛には思い込みが多い?
この論文では、腰痛について広く信じられている誤った考えを「10の神話」として紹介し、それに対する現在の医学的な考え方をまとめています。
代表的なものには、次のようなものがあります。
✔︎腰痛は、腰の組織が傷んでいる証拠である
✔︎腰痛は年齢とともに悪化する
✔︎腰が痛いときは安静にしたほうがよい
✔︎MRIを撮れば腰痛の原因が分かる
実は、これらは正しいとは限りません。
特に慢性腰痛では「痛みの強さ」と「腰の組織の損傷」が一致しないことが多いと考えられています。
慢性腰痛では、安静にしすぎないことが大切
腰が痛いと、なるべく動かさないようにしたくなります。痛いのは辛く、痛みがこわいからです。
しかし、慢性腰痛の場合、必要以上に安静にしていると、筋力や体力が落ち、かえって腰痛が長引くことがあります。
そのため、重大な病気がないことを確認できていれば、
✔ウォーキング
✔ストレッチ
✔︎軽い筋力トレーニング
✔︎日常生活のなかで体を動かす
といったように、
少しずつ体を動かすことが大切です。
「痛いから動かない」ではなく、「無理のない範囲で動く」ことが慢性腰痛治療の基本になります。
MRIで異常があっても、腰痛の原因とは限りません
腰痛の患者さんから、
「MRIを撮れば原因が分かりますか?」
と聞かれることがあります。
MRIは非常に重要な検査ですが、MRIで見つかった異常が、必ずしも腰痛の原因とは限りません。
年齢とともに椎間板の変性や軽い脊柱管狭窄がみられることは珍しくなく、腰痛のない方にも同じような変化がみられることがあります。
そのため、腰痛を診断するときには、
症状・診察所見・MRI画像を総合して判断すること
が重要です。
それでも腰痛で一度はMRIをおすすめする理由
「画像と痛みは一致しないのであれば、MRIは必要ないのでは?」
と思われるかもしれません。
しかし、すべての腰痛を慢性腰痛として扱ってよいわけではありません。
腰痛のなかには、
✔︎腰椎椎間板ヘルニア
✔︎腰部脊柱管狭窄症
✔︎腰椎すべり症
✔︎圧迫骨折
✔︎腫瘍
✔︎感染症
など、治療が必要な病気が隠れていることがあります。
特に、
✔︎腰痛に加えて足のしびれや痛みがある
✔︎歩きにくくなった
✔︎急に強い腰痛が出た
✔︎夜間も痛みが強い
✔︎高齢の方で突然腰が痛くなった
✔︎腰痛が長期間続いている
といった場合には、一度詳しい評価を受けることが大切です。
私自身、慢性腰痛では「痛み=腰が壊れている」と考えすぎないことが重要だと感じています。
一方で、椎間板ヘルニアや圧迫骨折など、治療すべき病気を見逃さないことも同じくらい大切です。
治療すべき病気を見逃さないこと。
これは、腰痛の治療を考えるうえで非常に重要です。
稲沢市で慢性腰痛・腰痛・足のしびれにお悩みの方へ
ミライエ脳神経クリニックでは、脊椎脊髄外科専門医が腰痛、慢性腰痛、足のしびれなどの診療を行っています。
院内にMRIを備えており、必要に応じて腰椎MRIを行い、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、圧迫骨折などの有無を詳しく確認することができます。
慢性腰痛では、必要以上に怖がらず、体を動かすことが大切です。
しかしその前に、治療が必要な腰の病気が隠れていないかを確認することも同じくらい大切です。
長引く腰痛や足のしびれでお悩みの方は、我慢しすぎず、一度当院へご相談ください。